マンチェスター・ユナイテッドなどで活躍した元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏(42)が、イングランド代表の試合前の「ひざつき」に対してブーイングを行った観客を「無知な少数派だ」と非難した。

イングランド代表は2日にオーストリア、6日にルーマニアとそれぞれ親善試合で対戦。サウスゲート監督のもと「ブラック・ライブズ・マター(黒人に対する人種差別の撤廃を訴える人権運動)」への賛同を意味する試合前の「ひざつき」を今後も継続することを決めた同代表は、2試合とも試合前にピッチにひざをつき、一部ファンからブーイングを浴びた。

ファーディナンド氏は英BBCの取材に対し「彼らはサッカー界の問題の1つ。そういう人々は教育を受けるべきだ。彼らの半分は何に向かってブーイングしているのかすら分かっていないと思う」と話した。またサウスゲート監督も「何人かは我々のメッセージを理解していない。これは政治的な姿勢ではないんだ」と話し、人種や民族、性別を超えて、誰にでも人権があることを示すための行動であると強調した。

サウスゲート監督は、元米大リーグ・ヤンキースのデレク・ジーター氏が立ち上げたメディア「ザ・プレーヤーズ・トリビューン」に寄稿し、「選手たちが平等性や包括性、人種による不平等などのトピックについて人々と意見を交わすことは、彼らの責務だ」と記した。

ファーディナンド氏も「監督の記者会見を聞いていれば、これが政治的な運動ではないことが分かるはず。ブーイングしたり、選手たちの行動に異を唱える愚かな人々は、自分たちを正当化するために、すぐ政治を持ち出す」と一部ファンに対して苦言を呈した。