東京・晴海にあるレアル・マドリードの関連施設で欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝のパブリックビューイング(PV)が29日早朝行われ、関係者ら約100人がRマドリードの14度目の優勝の歓喜にひたった。

PVが行われたのは「カンポ レアルマドリード」で、昨年10月にオープンしたRマドリードの公式サッカースクール。この日のPVはスクール関係者だけに伝えられたが、幼稚園児から70歳の幅広いサッカーファンが集まった。人工芝のグラウンドが観戦用に開放され、参加者はそれぞれテントやアウトドア用のテーブルセットなどを持ち込み、寝転がりながらスクールの準備した巨大モニターで観戦した。

1-0でリバプールをくだした瞬間は「やったー」と大きな歓声でRマドリードの勝利を祝福した。同スクールオーナーの増田稿平さん(52)は「ずっとコロナ禍だったから人を集めることを悩んだのですが、屋外だし密にもならないようにした。やっぱりみんなでスポーツ観戦できるのはいいですね」とチームの勝利とともにPVを開催できたことに安堵(あんど)していた。

同スクールは生徒として所属しているのは4~77歳。競技としてのサッカーの技術向上だけではなく、サッカーを楽しみたいすべての人を対象に生徒募集をしている。このスクールを開校前に増田さんはスペイン・マドリード市を訪れ「年齢層に関係なくボール蹴ることを楽しむ人が公園に集まっていた。日本にはそういうボールパークが少ない。サッカーを楽しめるモデルケースになれたらうれしい」と話した。

欧州を中心に発達している身体的な接触をせず、選手間で2メートルの距離をとる「ウオーキングサッカー」の普及を目指している。将来的なプランとして60歳以上のチームと6歳以下のチームによる試合を組む企画も考えている。施設の名称になっている「カンポ」とはスペイン語で「広場」を意味する。誰でも立ち寄れるように扉や門はなく、自由にグラウンドに入れる設計になっている。

今年11月にはカタールで初のサッカーW杯が実施され、日本代表は1次リーグE組でスペインと対戦することが決まっている。増田さんは「今回の欧州CL決勝で、予行練習もできたから日本-スペイン戦のPVはやります。でも、どっちを応援したらいいんだろう」と苦笑いを浮かべた。【寺沢卓】

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