国際サッカー連盟(FIFA)は23日、11月開幕のW杯カタール大会の選手登録人数を従来の23人から26人へ増やすことを正式に発表した。予備登録も35人から55人まで認められることになった。試合では選手15人がベンチ入りできる。

日本代表の森保一監督(53)はこの日までに、登録人数が増える流れについて「選手の選択肢をより多く持って試合に臨めることは監督としてありがたい」と前向きに捉えていると語っている。

直近の6月の代表活動では、28人の選手が招集された。森保監督は基本的にこのメンバーが本大会に向けた軸になるとしている。7月に国内組の編成で出場する東アジアE-1選手権などはあるが、森保ジャパンがW杯アジア最終予選を通して継続したチーム作りを重視していることからも、ここから新たにチームに割って入ることは至難の状況だ。

6月の代表活動に招集された選手を確認すると以下の通りになる(所属は招集時)。

▽GK

川島永嗣(39=ストラスブール)

権田修一(33=清水)

シュミット・ダニエル(30=シントトロイデン)

大迫敬介(22=広島)

▽DF

長友佑都(35=東京)

吉田麻也(33=サンプドリア)

谷口彰悟(30=川崎F)

山根視来(28=川崎F)

板倉滉(25=シャルケ)

中山雄太(25=ズウォレ)

冨安健洋(23=アーセナル)

伊藤洋輝(23=シュツットガルト)

菅原由勢(21=AZ)

▽MF・FW

原口元気(31=ウニオン・ベルリン)

柴崎岳(29=レガネス)

遠藤航(29=シュツットガルト)

伊東純也(29=ゲンク)

浅野拓磨(27=ボーフム)

南野拓実(27=リバプール)

古橋亨梧(27=セルティック)

守田英正(27=サンタクララ)

鎌田大地(25=フランクフルト)

三笘薫(24=サンジロワーズ)

前田大然(24=セルティック)

堂安律(23=PSV)

上田綺世(23=鹿島)

田中碧(23=デュッセルドルフ)

久保建英(21=マジョルカ)

以上に加え、常連組ながらコンディション不良などにより招集外だったFW大迫勇也(32=神戸)、DF酒井宏樹(32=浦和)を考慮すると、現状では30人がW杯への核となるメンバーだと言える。

本大会ではGKの登録が3人になると考えると、GKから1人が落選となる。また登録人数が従来の23人ならフィールド選手から6人が落選という見方だったが、これが3人に減ったことになる。

特に注目が集まるのが前線のポジション争い。右サイドでは1番手がMF伊東純也、続いてMF堂安律、MF久保建英という序列があった。6月の活動時点では久保も決して安泰ではなかったが、選手登録が26人になることが正式に決まったことで、有力な存在になったと言えそうだ。

ただ登録人数増加の恩恵は、基本的に選手層が厚いチームほど大きくなる。交代人数が5人、中3日での連戦とあり、大胆なターンオーバーをしても戦力が落ちないような総合力の高さがさらに問われるレギュレーションになった。

日本が戦力を増強する以上に、同組に入るドイツ、スペインといったヨーロッパの強豪国の脅威が増すとも言える。1次リーグで厳しい組に入っている日本にとっては、手放しで朗報とは受け取れないかもしれない。

 

◆最大3枠増なら 従来の五輪の18人(東京大会は22人)よりは多かったが、これまでのW杯の登録23人も狭き門だった。だからこそメンバー発表には、いつもドラマがあった。日本が初めて出場した98年フランス大会では「外れるのはカズ、三浦カズ」の岡田監督(当時)の言葉通り、カズ(三浦知良)と北沢豪が外れた。ちょうど20年前の日韓大会では中村俊輔も外れた。その後、06年ドイツ大会の久保竜彦などがまさかの選外となった。その後も、W杯切符獲得に貢献してきた14年ブラジル大会の細貝萌、4年前のロシア大会の浅野拓磨や井手口陽介らも涙をのんだ。多くの名手も、3枠増なら、夢のW杯行きがかなっていたかもしれない。