ブンデスリーガのボルシアMGは2日、プレミアリーグのマンチェスター・シティーから日本代表DF板倉滉(25)を獲得したと発表した。完全移籍で、契約期間は2026年6月30日までの4年。背番号は「3」に決まった。ドイツ・ビルト紙によると移籍金は500万ユーロ(約7億円)だという。

ボルシアMGのビルクス・スポーティングディレクターは「コウはとても走力があり、戦術的にも規律のある選手。守備的MFを含めて複数のポジションでプレーできる」と、そのユーティリティー性を高く評価。その上で「いくつかの魅力的なオファーが来ていたようだが、ウチを選んでくれてとてもうれしい。我々のチームプランの中で重要な選手だから」などと話した。

板倉はJ1川崎Fや仙台(現J2)でプレーし、19年1月にマンチェスターCへ移籍。同時にフローニンゲン(オランダ)に期限付きで加入した。昨季はドイツ2部シャルケに期限付き移籍で加わり、主力として2部優勝と1部昇格に貢献した。シャルケは買い取りオプションを行使し、マンCから完全移籍での獲得を望んでいたが、600万ユーロ(約8億4000万円)とも報じられていた買い取り価格を支払うことができず、完全移籍を見送った。

ボルシアMGはドイツ西部のメンヘングラッドバッハを本拠とする中堅クラブ。1970年代にリーグを5度制覇。昨季は10位だった。日本人選手では大津祐樹(現磐田)が11-12年シーズンに所属した。

板倉は11月21日に開幕する22年W杯カタール大会での活躍も期待される。ブンデスリーガでのプレーは、W杯1次リーグの初戦でドイツと戦う上でも、アドバンテージになりそうだ。

○…板倉は19年1月に川崎Fから移籍金110万ユーロ(当時約1億4000万円)でマンチェスターCに移籍した。マンCでは1試合も出場することなく、移籍金500万ユーロ(約7億円)でボルシアMGに移ることになった。屈指の強豪マンチェスターCは、チームで板倉をプレーさせることなく、5億6000万円の利益を得た形だ(金額は推定)。

◆板倉滉(いたくら・こう)1997年(平9)1月27日、横浜市生まれ。川崎Fの下部組織で育ち、15年にトップに昇格。18年に仙台に期限付き移籍し、主力として活躍。19年1月にマンチェスター・シティーに完全移籍も同クラブからフローニンゲン、シャルケに期限付き移籍しプレー。センターバックとボランチをこなす。日本代表では国際Aマッチ12試合1得点。東京五輪代表。186センチ、75キロ。