レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(22)の今季が終了した。誕生日を迎えた4日(日本時間5日)のリーグ最終節セビリア戦で後半27分までプレーし、存在感を発揮。同リーグ日本選手初の1シーズン10得点はならずも、同最多の9ゴールをマークした。名門レアル・マドリードとたもとを分かち、加入1年目で覚醒。苦労を重ねた末に見つけた「完璧な家」と愛するクラブへの残留も明言した。来季は自身初の欧州チャンピオンズリーグ(CL)に挑戦する。

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久保は失意を胸にしまいこんで前を向いていた。「自分の見積もりの甘さがあった。今の状態なら認めてもらえると思っていた自分の勘違いだった」。昨年12月6日、ドーハ。W杯カタール大会クロアチア戦は、体調不良のためテレビで見守った。大会を通じ、出場機会は1次リーグのドイツ戦とスペイン戦の前半のみ。8強入りを逃した一戦を終え、覚悟を口にした。「個人としては、ソシエダードをCLの常連にさせたい。リーグ4位以内で」。気持ちを必死に切り替え、CL出場を目標として、明確に口にしていた。

W杯後の再始動となった3月の日本代表活動。クラブで欠かせない存在になり「W杯の時とは別人。みんな分かっていると思う」と大きな自信が芽生えていた。しかしコンディション不良でウルグアイ戦を欠場するなど、またも不運に襲われた。それでも、Rソシエダードを有言実行の欧州CL出場に導き、6月の代表活動も文句なしで選出された。

「W杯、次は25歳。最高の状態でもってこられるように、個のレベルを上げたい」。そう言い残してドーハを後にした男は、急成長を遂げている。スペインでの輝きを日本代表でも、見せたい。【岡崎悠利】