欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントが13日(日本時間14日)に開幕する。世界最高峰の戦いを前に、セルビア代表コーチの喜熨斗勝史氏(59)が見所を語る。まずは、13日のコペンハーゲン-マンチェスターC、ライプチヒ-Rマドリード、14日のラツィオ-バイエルン、パリSG-Rソシエダードの4試合。

◆コペンハーゲン-マンチェスターC

マンチェスターCの突破は揺るがないと思います。好調を維持しており、デブルイネが復帰した上に、若手のフォーデン、ニコ・ルイス、アルバレス、ドク、中堅、ベテランのベルナルド・シウバ、グリーリッシュ、ウォーカー、アケらと融合できている。CLを制した昨季の中盤の中心だったMFギュンドアンがバルセロナに移籍し、代わりに獲得したMFコバチッチがフィットしなかったんですが、現在はコバチッチの起用が減り、若手の台頭があった。昨季に劣らず自力はあると思います。

コペンハーゲンはデンマーク、スウェーデン、ノルウェーなどの選手を中心に北欧スタイルでシンプルなサッカーをします。1次リーグではバイエルンを相手に0-0で守り切った実績がありますが、マンチェスターCを相手に守り切るのは相当難しい。とは言え、北欧スタイルが世界のトップに通用するかは見応えがあります。

マンチェスターCにとってはホームで迎える3月7日の第2戦が、プレミアリーグの上位対決リバプール戦(同10日)の3日前。コペンハーゲンとの対戦は第1戦でしっかり結果を残して第2戦はターンノーバーし、直後のリバプール戦に万全の状態で挑むという形にするのかどうか。そのあたりも戦い方に影響を与えると思います。

個人的にはコーチを務めるセルビア代表の欧州選手権(6月14日開幕)の1次リーグ初戦がイングランド戦なので、イングランド代表が多数在籍するマンチェスターCには違った意味でも注目しています。

◆ライプチヒ-Rマドリード

Rマドリードが戦力的にも有利であることに違いはないと思います。百戦錬磨のアンチェロッティ監督がどのような采配で、どのような戦い方をしてくるか。今季の公式戦の黒星は9月にAマドリードに敗れた1試合のみ。ビニシウス、ロドリゴの2トップ、MFベリンガムがトップ下に入る布陣は破壊力抜群で、FWディアスもいます。中盤にはMFクロース、バルベルデがいてモドリッチが控えに回るほどの選手層。盤石の戦いが予想できます。

昨季もCLで奮闘したライプチヒは、DFグバルディオル、MFソボスライ、ベルナーら主力が流出しました。今季はベルギー代表FWオペンダ、スロベニア代表FWシェシュコが好プレーを見せていますが、24年に入ってからもチーム状態が安定しておらず、苦戦は免れられないと思います。

◆ラツィオ-バイエルン・ミュンヘン

ラツィオは今季もなかなかチーム状態が上がらず、12月23日からリーグ戦、イタリア杯で5連勝と持ち直したように見えましたが、その後3試合未勝利と再度失速。10日のアタランタ戦で4試合ぶりの勝利を挙げました。前線のインモービレ、アンデルソン、ペドロらFW陣に迫力がいまいちない。さらに、昨年のチームの中盤を取り仕切ったミリンコビッチ・サビッチがサウジアラビアに移籍したため、大黒柱を失った影響が色濃く残っているように感じます。

鎌田選手はミリンコビッチ・サビッチの代役としてかなりの注目を集め、かなりのプレッシャーがあったと思います。ミリンコビッチ・サビッチは私が指導するセルビア代表でも中心選手で、うまくて強くて惜しみなく走り、性格も良い抜群のタレントです。その選手と比べられるのですから。現状、ゲントゥージがサッリ監督の信頼を得ているので、故障がない限りゲントゥージが先発起用されるでしょうけど、鎌田選手にもチャンスはあるので、つかんでもらいたいです。

バイエルンはドイツ国内で安定した戦いぶりを披露しています。2位につけるブンデスリーガでは10日に首位レーバークーゼンに敗れ勝ち点差を5と広げられましたが、攻撃陣にはイングランド代表FWケーンが得点ランクトップを突っ走り、サネ、ムシアラ、ベテランのミュラーらそうそうたるメンバーがそろいます。また、個人的にはセルビア人の20歳のMFパブロビッチがボランチで起用されているので注目しています。まだセルビア代表には招集していませんが、CLで好プレーを披露すれば招集のチャンスも出てきます。キミッヒが故障から戻ってきたら控えに回るかもしれませんが、若くて長身で素晴らしい逸材なので期待しています。

◆パリ・サンジェルマン-Rソシエダード

パリSGが有利なことに違いはありません。前線にはエムバペ、デンベレ、コロムアニら豊富なタレントを擁しており、CBのブラジル代表マルキーニョス、ポルトガル代表ダニーロらが守備を締めています。ルイス・エンリケ監督がスペインのサッカーを熟知しており、ソシエダードを相手にどのような策を練るかも注目です。

ソシエダードとしては久保選手の創造性をいかにいかすことができるか。アジア杯の疲労などによる体調がどうなのかもポイントです。苦戦は必至ですが、ソシエダードは1次リーグもインテル・ミラノをかわして首位突破をしており、スペインリーグでは7位と苦戦していますが、格上との戦い方が確立している。格上が相手でも引いて守るわけでなく、早い攻守の切り替えから、久保選手を中心にオヤルサバル、スピメンディ、メンデス、シルバ、サディクらのコンビネーションで相手のスキを突くのが得意です。一矢を報いるチャンスはあると思います。

◆放送 欧州CL決勝トーナメントはWOWOWが全試合独占放送&ライブ配信。欧州リーグは注目試合を生放送&ライブ配信する。