【ナッシュビル(米国)27日(日本時間28日)】W杯北中米大会に出場する日本代表MF中村敬斗(25=スタッド・ランス)がかつて憧れたブラジル代表との対戦に心躍らせた。
大好きだった元ブラジル代表MFロナウジーニョにみせられた06年W杯ドイツ大会を機にサッカーに熱中した少年が20年の時を経て、その大舞台へ。負けたら終わりの決勝トーナメント1回戦で「原点」を倒す覚悟を語った。
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端正な顔を崩し、少年のような表情を浮かべた。ブラジルとW杯の決勝トーナメント1回戦で激突することについて問われた中村は興奮気味に話した。
「漫画とかアニメとかで、W杯決勝でブラジルとやって勝つみたいなのが、なんかよくあるあるじゃないですか。(今回は)決勝ではないけど、決勝トーナメントで、本当のW杯ブラジルとやれるというのはすごいなと思います」
幼稚園の記憶がよみがえる。06年ドイツ大会に出場したブラジル代表MFロナウジーニョに憧れた。「将来は海外でサッカーをやる! 日本代表になってW杯に出る」と誓い、夢中にボールを追いかけた。今大会で夢をかなえ、デビュー戦のオランダ戦でいきなりゴール。3試合連続スタメンで存在感を放つ。
原点とも言えるドイツ大会で、日本はブラジルに1-4大敗。当時のジーコジャパンは歴代最強とも称されたが、惨敗した大会の象徴ともいえる試合だった。20年ぶりにW杯でのブラジル戦。まだ実感は湧いていないというが「あの時はロナウジーニョが大好きでまねしてプレーしてましたけど、今ほんと対戦相手としてプレーできるというので光栄ですね」と感慨深そうにした。
月日は流れて日本は大きな進化を遂げた。過去の対戦成績は1勝2分け11敗だが、新世代はW杯最多5度の優勝を誇る「王国」を倒すべき相手として認識する。中村は「全然憧れはないです」とキッパリ。昨年10月の親善試合では同点に追いつくチーム2点目を奪い、3-2の逆転勝利。「別にブラジルがすごいとかも全然ないです」と強豪を恐れる時代は終わった。
確かな成功体験が過信ではなく自信を生み出す。「守備の時間は間違いなく長くなると思うが、辛抱強く毎回強豪国相手にカウンターを刺している。そういう意味ではまだチャンスもあるのかな」。物語の主人公は背番号13だ。【佐藤成】
○…ソックス問題について言及した。中村は、スウェーデン戦で、主審からふくらはぎの下までソックスを下げるスタイルについて、後半には交換を命じられた。足の筋肉がつりやすい体質で下げていることを改めて説明。試合で前半から集中がそがれたことを明かした。「ブラジル戦に絶対あってはいけないので、そこはしっかり僕もプロ意識持って心がけてる。もう事前に確認取ってというところでやっていきたい」と対策を練っていく。
◆ドイツ大会のブラジル戦(06年6月22日) 1次リーグ第3戦。日本はMF中田英寿、中村俊輔、GK川口能活らが、ブラジルはロナウジーニョ、ロナウド、カカ、ロビーニョらが先発。日本は前半34分にFW玉田圭司が左サイドからニア上を抜くスーパーゴールで先制。この一撃で王国が覚醒。同追加タイム1分に怪物ロナウドで同点、後半8分、FKの名手MFジュニーニョに無回転ミドルで逆転。さらにMFジウベルトシウバ、再びロナウドにゴールを許して1-4で大敗した。試合後、中田英が現役引退を発表した。


