【ヒューストン(米国)29日(日本時間30日】カナリア軍団が地力の差をみせつけた。日本に1点を先行されたが、後半2発。試合終了間際の逆転劇で16強へ駒を進めた。イタリア人の名将カルロ・アンチェロッティ監督(67)が再建。02年日韓大会から遠ざかる、最多更新6度目の優勝へ勢いに乗って5日(日本時間6日)の2回戦に進んだ。

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末恐ろしさを感じさせた。後半追加タイム5分、敵陣でボールを奪って途中出場のMFマルティネッリ(25)がゴール右に劇的決勝弾。周囲が大喜びする中、アンチェロッティ監督は表情一つ変えずに体を反転させてベンチへ向かった。

「もちろん心の中では祝った。でも、私は長年サッカーに携わってきて、勝利も敗北も経験してきた。時には、最大のチャンスでも謙虚さを保つことが、相手を尊重する最良の方法だ」

名将であり、人格者。欧州5大リーグすべてを制覇した史上初の監督で、欧州CLは最多5度の優勝。その経験値が「王国」の底力を引き出した。前半は中央突破を試みるも、日本の守備ブロックに苦戦。カウンターから先制された。後半からクロスボールを多用する作戦に変更し、同11分にまな弟子のMFカゼミロのヘッドで追いつき、終了間際のゴールで勝ちきった。

各国の名門クラブで成功してきたカリスマは昨年5月に就任。最多5度のW杯優勝を誇るセレソンにおいて、初の外国人監督となった。地元メディアから「我々が求めていた『ブラジルの魂』をチームに吹き込んでくれた」と称賛されたように、南米予選で四苦八苦していたチームを見事に再建。勝負強さをよみがえらせた。

過去22大会で自国監督以外のW杯優勝監督はいない。「我々はタフなチームです。強さと満足感を持っています。自分たちの進むべき道を歩んでいると分かっています」。冷静なイタリア人指揮官に導かれたカナリア軍団が歴史を塗り替えるべく、6度目の頂点へ進む。【佐藤成】

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