日本(FIFAランキング18位)がブラジル(同6位)に1-2で屈した。前半29分にMF佐野海舟(25=マインツ)が先制点を奪ったものの、後半11分に同点とされると、後半アディショナルタイムの50分にFWマルティネッリ(アーセナル)に決勝点を奪われた。

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多くを語らない男が、言葉を詰まらせた。DF冨安健洋(27=アヤックス)は敗戦後に、声を震わせた。「今後のサッカー人生のチャンスを森保さんからもらった。もう、自分1人のサッカー人生じゃない。ケガの期間を乗り越えて、たくさんの人に支えてもらった。サッカーできていることが当たり前じゃない」。目から静かに涙がこぼれた。

2度目のW杯は、危機的状況だった。度重なる負傷に苦しみ、一時は所属先を失った。今年2月に1年4カ月ぶりに実戦復帰。しかしW杯前最後の3月英国遠征も負傷で辞退。選外の可能性も十分あった。それでも指揮官からの信頼は厚かった。22年カタール大会に続きけがに苦しむ中、復活を期待された。2年ぶりに代表に返り咲き“ぶっつけ本番”で本大会に臨んだ。

2試合目の先発。重要任務“ビニシウス封じ”を託された。「こんな状況でW杯に選んでもらって、試合に出させてもらった。本当に森保さんに感謝しかない」と奮い立った。エースのドリブル突破を阻止した。

後半9分には、ゴール前約2メートルからのヘッドを顔面セーブ。体を張った。しかし2失点目はマークを外され、FWマルティネッリに決められた。滑り込んだ足は、わずかに届かなかった。「思いをピッチ上で返せなかったのが悔しい。個人的にまだまだ」とうつむいた。

期待に応えきれないまま、2度目の舞台から去る。「森保さんへの恩返しも含めて、今後はもっともっと自分に要求する。ピッチ上でしか、返せるものは返せない」と次を見据えた。自分はもう、1人じゃない。4年後へ、サッカー人生は続いていく。【飯岡大暉】

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