[ 2014年2月12日22時30分 ]複合ノーマルヒル後半距離でゴールしガッツポーズする渡部暁(撮影・井上学)<ソチ五輪:ノルディック複合>◇12日◇個人ノーマルヒル

 渡部暁斗(25=北野建設)が銀メダルを獲得した。複合の日本勢では94年リレハンメル大会以来20年ぶり。個人種目では同じリレハンメル大会の河野孝典の銀に続く史上2人目の表彰台となった。優勝はエリック・フレンツェル(25=ドイツ)。渡部善斗(22=早大)は15位、永井秀昭(30=岐阜日野自動車)は22位、加藤大平(29=サッポロノルディックク)は31位だった。

 渡部暁は名前をコールされると、右拳を突き上げ、喜びを表した。競技後のフラワーセレモニー。かつてお家芸といわれた日本の複合が、ついに五輪の表彰台に戻ってきた。

 「金メダルを狙っていたけど実力不足。でもすごく満足しています」。競り合いには負けたが、渡部暁は笑顔だった。「ラージヒルで今度こそ金メダルを取りたい。チャンスはあると思う」と期待をもたせた。

 緊迫したレース展開だった。渡部暁は前半ジャンプで2位となり、後半距離(10キロ)はトップのフレンツェルと6秒差でスタートした。1キロ過ぎで追いつくと、そこからは並走。後続グループは20秒ほど離れ、2人の一騎打ちの形となった。

 しかし最後の下りでフレンツェルが一気にスパート。渡部暁はついていけず、2位でフィニッシュした。それでも追い求めてきた五輪のメダル獲得に、充実感があふれた。