<アジア大会:陸上>◇第14日◇2日◇韓国・仁川

 女子マラソンの木崎良子(29=ダイハツ)は、2時間25分50秒で銀メダルだった。

 ケニア出身キルワの後ろ姿が、みるみる間に小さくなる。木崎に余力は残されていなかった。途中の仕掛けも「(キルワは)表情も楽そうで動きもスムーズだった」と自重。17キロから、2時間21分41秒の自己ベストを持つキルワとの一騎打ちは、その20キロ後に終幕した。急激な起伏に太もも裏がしびれ、脚を使い果たし40キロで22秒差。ロンドン五輪(16位)世界選手権(4位)の雪辱戦を狙った北京切符は、お預けとなった。

 課題を「残り5キロでのペース変動への対応」と明確に自覚し、対策には「海外でペース変動について行けるレース経験」を挙げた。後半は1時間12分30秒でカバーし林監督が「ベストパフォーマンス」と評価するように内容は悪くない。給水所でドリンクを受け取るたびに、頭を下げる木崎の姿があった。「自分のために朝早くから何時間も待ってくださり、その方のためにも頑張らないとと思い、おじぎしました」。他種目の選手も含めた給水係に感謝した。恩返しのレースが再び木崎を待っている。