20年東京オリンピック(五輪)の新競技スケートボードで、初結成の日本代表が金3個、銀2個のメダルを獲得した。

女子パーク金メダルの四十住(よそずみ)さくら(16=和歌山・伊都中央高)は、銀メダル伊佐風椰(かや、17=神奈川・相模女大高)と“ながらスマホ”で協力してワンツーフィニッシュ。伊佐はストリートでも銀メダルをつかみ、男子パークは笹岡建介(19=PROSHOP BELLS)、ストリートは池慧野巨(いけ・けやき、17=大阪・第一学院高)が頂点に立った。

大歓声を受けながら滑る四十住を、伊佐が手にするスマートフォンが追った。5人で戦った女子パーク決勝。大きなおわんを組み合わせたようなコースの脇に、競技者以外の4人が待機する。伊佐の出番になると、スマホでの動画撮影は四十住の番。採点を待ちながら見ていたスマホの役割を、四十住は「日本のお母さんと連絡も取りました。でも映像でのチェックがほとんどでした」と明かした。

始まりは四十住の「撮り合いしようよ」、伊佐の「いいよ」。他競技からすれば「自由過ぎる」ともとれる連係プレーだが、スケートボードでは日常だ。2本目の58・33点で銀メダルの伊佐は「練習施設がなくて、パークを始めたのは夏休みに入ってから。ストリート全開のパークでした」。巧みなトリック(技)で2本目に66・66点を記録した四十住も「2人で『どう?』とか言って映像を見ていました。みんなが盛り上げてくれて、楽しかった」と満足そうに笑った。

今大会がスケボ史上初の日本代表となり、ドーピング検査、選手村など全てが初体験だった。客席からは日の丸の旗を振った応援があり、四十住は「すごく心強く、うれしかったです。みなさんに『楽しそう』と思ってもらえたらうれしい。そうしたらギャラリーも増えると思う」と競技のさらなる発展に目を向けた。

米国などアジア以外に強豪が集中しているとはいえ、金3個、銀2個は期待通り。しかも男女各2人、全て10代の代表全員がメダルを手にした。西川監督は「米国、ブラジルの次に入る子は(日本に)たくさんいる」。20年東京五輪へ「スケボらしく」進化する。【松本航】