日本勢3人の中で、ただ1人、前日の予選を突破した松下祐樹(23=チームミズノ)が第3組で出走。51秒10の8着に終わり、各組2着までと3着以下のタイム上位2人が進む、25日の決勝進出はならなかった。

 銅メダルを獲得した05年ヘルシンキ大会の為末大以来となる、この種目での決勝進出を目指し「決勝の8人に残って日本を沸かせたい」と話していたが、世界の壁は厚かった。それでもロンドン五輪→モスクワ世界選手権と連続銀メダルで第5レーンを走ったティンズリー(米国)ら、世界トップの走りを身近に、肌で感じられた。

 レース後、松下は「力を見せつけられて悔しい。世界でメダルを取りたいと思って、この種目を選んだ。より一層、努力して、次の機会では絶対にやってやる」と気持ちを新たにした。

 混成競技からこの種目に本格的に転向したのが、順大4年から。社会人2年目の今年、第一人者の岸本らを抑え日本選手権も初めて制した。「出場するだけではダメ。戦うために混成から転向した」という初めての世界舞台で十分な手応えをつかんだ。