青学大が、史上初の3連覇&大学駅伝3冠に輝いた。2位早大に33秒差をつけて迎えた復路。山下りの6区から早大を突き放し、2位東洋大に7分21秒差をつける11時間4分10秒で総合優勝を決めた。

 原監督が「マラソン改革大作戦」に着手する。箱根駅伝を終え、男子マラソンの現状について言及。「異端児の私を入れたら強くなる。今のマラソン界には劇薬が必要。今まで通りやったら、東京はもちろんその次(24年五輪)もぽしゃります。実業団がだらしないので、学生が意欲的にチャレンジする流れを作りたい」と口にした。

 今年2月の東京マラソンに中村と下田(ともに3年)、3月のびわ湖毎日にエース一色(4年)が出場を予定する。どちらも17年世界選手権ロンドン大会の選考会。一色は「東京五輪は絶対に出ると決意している。まずはびわ湖でサブテン(2時間10分切り)」。昨年11月の福岡国際3位の川内優輝が有力となっている代表争いに一色らが割り込めば、実業団中心の従来とは一線を画す構成になる。

 言葉だけではない。原監督は、昨春に新設された実業団GMOのアドバイザーに就任。理念を共有できる花田監督とタッグを組んで卒業生の受け皿を作った。社会人1年目のOB橋本崚(23)は昨年12月の防府読売マラソンで優勝し、一色も入社予定。青学大→GMOの流れで一大ムーブメントが起きる可能性もある。

 日本陸連に協力する姿勢だ。瀬古長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー、中国電力の先輩である男子マラソンの坂口泰オリンピック強化コーチに向け「私たちは瀬古さんを見て憧れた世代。瀬古さんを支えたい、坂口先輩を支えたい。東京五輪がある。マラソンチャレンジの意識付けをしたい」。92年バルセロナ五輪銀の森下広一以来、表彰台から遠ざかる男子マラソンの復活を願っている。

 ◆GMO陸上競技部 16年4月に「世界に通用するNO・1アスリートの育成」を目的に設立。部員は6人で、駅伝に出場できないこともあるが、個々に応じたメニューに重点に置く。全員がマラソンを走れる育成をしている。花田勝彦監督。主な活動拠点は埼玉県東松山市。