午後8時28分の18歳が見せた快走に後が続いた。16分後の同8時44分。ケンブリッジは4組4着、32分後に多田も6組4着。ともに4着以下のタイム上位6人に入り、予選を通過した。世界選手権の過去15大会、34年の歴史で、男子100メートル準決勝に進んだのは朝原ら3人だけ。それが32分間で新たに3人の名前が加わった。代表3人全員の予選突破は世界選手権だけでなく五輪を含めても初だった。【上田悠太】

 ◆サニブラウン・ハキーム 1999年(平11)3月6日、福岡県生まれ。ガーナ人の父と日本人の母を持ち、小3で陸上を始める。今春に東京・城西高を卒業、オランダを拠点に練習。秋から米フロリダ大に入学する。100メートルの年次ベストは12年から11秒65、10秒88、10秒45、10秒28、10秒22、10秒05。188センチ、78キロ。

 ◆記録メモ 男子100メートルは大会史上初めて日本人3選手全員が24人で争う準決勝に進んだ。3選手とも1次予選を通過して2次予選に進んだ例は09年ベルリン大会などである。ただし当時の準決勝は現在より狭き門の「ベスト16」だったため、単純に比較はできない。