文化放送で午前7時半から生放送された「第94回東京箱根間往復大学駅伝競走実況中継」に、東洋大時代に山登りの5区で3回、区間記録を更新し「新・山の神」と呼ばれ、17年4月に現役を引退した柏原竜二氏(28=富士通)が解説、青学大OB「三代目山の神」と呼ばれた、コニカミノルタ・神野大地(24)がゲストとして出演した。

 柏原氏は、往路5区間に1年生3人、2年生1人を起用して4年ぶり6回目の往路優勝を決めた母校について「東洋は来年以降興味深いチーム。少しずつの積み重ねでチームは強くなる。いい事悪い事を受け継いでいくことが上級生の仕事だと思います」と評した。その上で翌3日の復路を走るメンバーに「明日、走る先輩は、情けない走りは出来ないな、と思ってほしい。それが力にもなる。いい緊張感を持って明日を迎えてほしいです」とゲキを飛ばした。

 神野は、5区で竹石尚人(2年=鶴崎工)が、足の違和感から2度、足を止めながら1時間12分49秒で走りきったことを評価。「竹石が諦めずに走り切ったのは、明日走る選手を勇気づける。諦めない気持ちが明日につながる。青山学院にとっては、いい往路の終わり方」と、36秒差で臨む復路での逆転優勝に期待を寄せた。

 柏原氏と神野の主なコメントは、以下の通り。

 -もう1度、箱根駅伝を走るなら何区を走りたいですか?

 柏原氏 7区か8区。近年7、8区で勝負が決まる。非常に興味があります。

 神野 全てが完璧だった3年時のタイムを上回るのは難しいが、あの注目をもう一度味わうために5区。

 -運営管理車から監督にかけられた言葉で印象に残っているのは?

 柏原氏 ほぼ声をかけられませんでした。なぜなのかと聞いたら、監督は「見るからに頑張ってるから、声をかけると逆に観客に突っ込まれそうだから」

 神野 原(晋)監督は「山の神になれるぞ」とか「湘南の神になれるぞ」とか、モチベーションが上がる言葉をかけてくれます。選手に合わせた、ただの根性論ではない独特の言葉。

 -山を登るときに1番意識したことはなんですか?

 柏原氏 足を前に出すのではなく真下に下すというイメージ。腸腰筋でしっかり引き上げるということです。

 神野 気持ちを強く持つ。きつくなってからは、とにかく腕を振る。

 -小涌園の後、ゴールまでは

 柏原氏 僕にとっては、ここは稼ぎどころ、傾斜が緩くなって、みんな気持ちが単調になってくるところ、そこに付け込む。

 神野 頑張れば頑張るだけ差が開くところ。みんなきついが、そこで自分がどれだけ頑張れるかがポイントで。

 -お互いの解説を聴いてみて感想は?

 柏原氏 心強い相棒がいてくれたので、いつも以上にしゃべってないと思います。かなり頼りました。ずっとラジオが好きだと言っていて。ラジオならではの臨場感、言葉でしか伝えられないこと、選手目線で僕らが伝えられることは、映像ではできないこともあります。ラジオは楽しいです。

 神野 自分もよく解説うまいねと言われますが、今日は「柏原さんうまいな」と思って聞いていました。

 3日は同局で、午前7時半から復路を生放送する。解説は早大OBでGMOアスリーツの花田勝彦監督(46)が解説、順大OBで、05年の5区で11人抜きを達成し、1時間9分12秒の記録を打ち立てた“初代山の神”トヨタ自動車九州の今井正人(33)がゲストで出演する。