陸上男子短距離の飯塚翔太(26=ミズノ)が9日、中大多摩キャンパスで行われた記録会の男子200メートルに出場し、追い風0・8メートルの条件下、20秒54をマークした。

 150メートル以降は少し流し気味ながら、200メートルでは日本勢今季最高タイム。今月下旬の日本選手権(山口・維新みらいふスタジアム)へ向け、順調な仕上がりを見せた。飯塚は「記録は意識していなかったが、体感より0・2秒くらい速かった」。前半の走り方に手応えを示し「この意識で日本選手権を走りたい」とうなずいた。

 この日は、中大2年の弟拓巳とも個人で初対決。隣のレーンを走った弟に0秒88差と力を誇示し、レース後は「まず1勝目です」と満面の笑み。国体の静岡県代表として、兄弟でリレーを組むことも目標だが、もっと大きな夢もある。「今はライバルとして戦う立場になった。いずれは一緒に日の丸を背負って走りたい。今日はそのスタートかな。(日本代表の)リレーで組めるのが一番の親孝行になる」。兄の顔になって、そう言った。拓巳は「壁がありましたが、楽しかったです。もうちょっと競れるように頑張ります」と語った。

 今季はアジア大会の優勝を目標に掲げている。前回大会は無念の4位。表彰台を逃した。「アジアでチャンピオンになると4年間考えてきた。東京五輪に向かう前に、1回アジアでてっぺんを取りたい」。4年前の雪辱を果たすべく、調子は上向いてきた。日本、そしてアジアの頂点へ駆け上がる。