男子は昨年2位の札幌山の手が2年ぶり10度目の優勝を果たした。大会新の2時間5分53秒で、昨年6連覇を阻まれた2位北海道栄に2分差をつけて雪辱を果たした。全国大会(12月22日、京都)は男女優勝校と、男子は記念大会で2位も出場する。

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完璧な復活劇だった。昨年2位の札幌山の手が、圧倒的なタイムで全道王者に返り咲いた。アンカー野田銀(2年)がゴールに飛び込んだタイムは2時間5分53秒。23年ぶりの大会新だ。10度目の優勝を果たし、歓喜に沸く選手たちに胴上げされた梶山一樹監督(48)は「長かった。去年1年間は苦しかった。5分台で勝ったので『どんなもんだ』という気持ちです」と喜んだ。

敗北から、生まれ変わった。全道を5連覇した17年は全国でも北海道勢61年ぶりの7位入賞。更に上位を狙った昨年、つまづいた。北海道栄に6連覇を阻止された。多田奏太副主将(3年)は「去年負けて、新しいチームにならないといけない」。髪形は自由にし、ユニホームを新調した。「新しい山の手を作ろう」(同監督)という意図を、選手たち自ら考え、実践してきた。

大会直前に4区島田拓(2年)6区谷川純也(3年)が故障。3年生2人、2年生以下5人の若いチームの力を引き出すために、浜田樹コーチ(35)は2年連続で北海道栄に敗れたと想定した上で、課題を選手に洗い出させ、発奮させた。

この日は2区まで4位だったが、3区のパトリック・キンヤンジュイ(1年)が「めちゃくちゃ苦しかった」という力走でトップに。終わってみれば2区以降は区間賞で、谷川は「去年は自分がブレーキになった。リベンジできて良かった」と笑った。王者を奪還し、見据えるは師走の京都。2年前に唯一、都大路を走った多田は「7位を上回る順位になりたい」。復活した自信を胸に冬の京都を駆ける。【浅水友輝】