2020年東京オリンピック(五輪)のマラソンと競歩の札幌移転案について、国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員長を務めるジョン・コーツ氏が25日、東京都の小池百合子知事と緊急会談する。24日、東京都が発表した。今回の問題でIOC幹部と小池知事が直接会って話すのは初めて。

IOCの暑さ対策作業部会が猛暑の東京でマラソンを開催することは危険と判断。それを受けトーマス・バッハ会長が札幌移転を決断したが小池氏は会見などで、開催地にもかかわらず東京都に伝えられたのは最後ではないかと不満をあらわにしていた。

大会関係者によると、都はIOC側に質問状を既に送付。内容は「開始時間を午前5時以前に前倒ししての東京開催案と札幌案を比較したか」「復興五輪の観点から東北・被災地も検討比較したか」など。返答は現時点でないが、コーツ氏が会談でこれらについて直接、説明する可能性もある。

先週、中東ドーハで行われた各国オリンピック委員会連合(ANOC)で、東京五輪大会組織委員会の幹部がバッハ氏に対し、札幌移転案を承服できない小池知事の考えを伝えていた。それを受け、30日から11月1日まで行われるIOC調整委員会の前に、小池知事に直接説明する機会を設けた形だ。

16年、就任したての小池氏が突然、会場計画見直しをぶち上げて対立した経緯がある。その際開かれた組織委、国も含めた4者のトップ級会合では、都側は根回しなしで臨む異例の事態に。その二の舞いにならぬよう、調整委前に根回しする意図もあるとみられる。