陸上のトップ選手が、ツイッターに【いまスポーツにできることリレー】と記し、トレーニング方法など家で、できる事を紹介する動画を投稿し、話題を集めている。合わせて60万回以上も再生されている。

開始したのは16年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリストの飯塚翔太(28=ミズノ)と女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香(30=パソナグループ)。動画の最後には、次に投稿する人を指名するというリレー形式になっている。

飯塚は7日に足が速くなる足の親指のストレッチなどを紹介した。飯塚は「日々、皆さんにご声援を頂く側の僕たちアスリートが皆さんの背中を少しでも押せるような活動をしたいとの思いで投稿させていただきました。1人でも多くの方々の励みとなっていただければ。このバトンがたくさんのアスリートにつながりと絆を生み、良い方向へ向かえばうれしい」と話す。飯塚から指名された山県亮太は、簡単にできる、鶏肉のササミを使った高タンパクな茶わん蒸しの作り方を公開。さらに多田修平、白石黄良々、桐生祥秀とバトンは受け継がれている。

これとは別のリレーも進む。寺田は3日から小型トランポリンを活用した練習法と感染症対策を促す動画を投稿した。寺田は「五輪延期にもコロナウイルスにも負けずに、楽しみながらトレーニングをしていく前向きな姿をお見せすることで、皆さんに少しでも元気をお届けできればと思って始めました。アスリートならではの感染症対策も知っていただきたいと思いました」と企画の経緯を説明。同じように土井杏南、北口榛花、戸辺直人、山本凌雅と続いている。

そこに共通するのは平穏な日常を願う思いと、限られた環境でも悲観せず前を向く姿。人気アスリートの発信力を生かし「スポーツの力」で少しでも世の中を明るくする。【上田悠太】