東京オリンピック(五輪)女子マラソン代表の前田穂南(23=天満屋)が4日、今季初戦となるホクレン・ディスタンスチャレンジ士別大会(北海道士別市営陸上競技場)の5000メートルA組に出場し、自己記録を2秒95縮める15分35秒21で2位だった。

「今回のレースは自己新を目指していた。久々に緊張感のある雰囲気でレースを走れたのは良かった」と充実した表情で振り返った。

30キロの日本記録を樹立した2月16日青梅マラソン以来139日ぶりの実戦レースは、同組1位になった宮田梨奈(九電工)とせめぎ合いを見せ「結構きつかったけど体は動かせた」。異例の無観客開催でも高い集中力を見せて自身が設定した目標を果たした。

新型コロナウイルスの感染拡大で練習は制限される中でも「モチベーションが下がることはあんまりなかった」。五輪が1年延期になったことも「強化できる時間」と前向きに捉え、スピード強化の一環で新たに3000メートルの変化走を取り入れるなどさらなる高みを目指している。

コロナ禍での取り組みについて武冨豊監督(66)は「毎日毎日が全力。とにかく(五輪が)1年伸びたことで自分の課題を克服できる時間と捉えている」と話す。前田も「継続していきたい」と練習の成果を感じている。

次戦は8日に同深川大会(北海道深川市陸上競技場)で1万メートルに臨む予定。【浅水友輝】