信じることで勝利の女神を引き寄せる-。陸上男子100メートルの桐生祥秀(24=日本生命)は日本選手権(10月1~3日・新潟)の抱負を漢字1文字「信」と記した。

23日、オンラインイベントに登壇。約1週間後に迫った日本選手権では6年ぶり2度目の制覇を目指す。それを実現するためには? 思考を巡らせ、思いを口にした。

「いろんな人を信じ、いろんな人に信じてもらっている。100メートルの最後の5メートル。接戦になった時に、何が大事か。今までやった練習を信じて、最後まで慌てずに走ることが大事。自分を、今までの練習を信じてみる」

日本記録保持者のサニブラウン・ハキームこそ出場を見送ったものの、日本選手権は接戦必至。ライバルたちは調子のピークを合わせてくるだけに、少しのミスが順位を分ける。ただ、今季の桐生は6度走って、10秒0台が実に4度。突出した数だ。大切なのは自分を信じること。それさえできれば、接戦になっても、上体が反る悪い走りにはならない。「しっかり調整して、優勝できるようにしたい。タイムも後から付いてくると思う」。東洋大1年時以来の頂点に立ち、来年の東京オリンピックへ弾みとする。