女子やり投げで日本記録保持者の北口榛花(JAL)が、63メートル27を記録して銅メダルを獲得した。五輪(オリンピック)を含めて、投てき種目で日本女子世界大会初のメダルとなった。

逆転で悲願のメダルを手にした北口は、号泣しながら日の丸をまとった。「ほかの選手も強い選手ばかりなので、すごくどきどきしていた。一番は輝いていないメダルですけど、メダルを取れてうれしいです」と、涙を流しながらコメントした。

日本人では11年大邱大会の海老原有希(8位)以来2人目の決勝進出を果たした北口は、1回目に62メートル7を記録して、3番手につけた。2回目はファウル、3回目は55メートル78と記録を伸ばせなかったが、3番目の記録で、上位8人による4回目以降に進んだ。

4回目も61メートル27と記録を伸ばせず、5回目はファウル。逆に昨年の東京五輪金メダリストの劉詩穎(中国)が4回目に63メートル22を投げて、5回目にウィンガー(米国)が62メートル17を投げて、5番目まで順位を落とした。

しかし、メダルを狙った勝負の最終6回目の投てきで、63メートル27と記録を伸ばして2番目に浮上。その後、64メートル05を投げたウィンガーに抜かれたが、3位となり悲願の表彰台となった。

昨夏の東京五輪では日本勢で57年ぶりの決勝進出。しかし、予選で痛めた左脇腹の影響で、決勝は12位に終わった。その後は3カ月間はやりを持たず、体づくりに専念。復活を遂げて世界の舞台に戻ってきていた。

6月には世界最高峰のダイヤモンドリーグで日本勢初の優勝を果たし、勢いに乗って決戦のオレゴンに乗り込んだ。予選は全体トップで通過。真価を証明した。「トレーナーさんやコーチ含めて一つのチームとしてやってきた結果。ここが私のまだゴールではなくて、これから金を目標に頑張りたいと思います」と、最後まで涙が止まることはなかった。

○…北口の父幸平さん(56)はメダル獲得に「びっくりしました。最後よく投げたなと思います」と、夏の高校野球北北海道大会の準決勝が行われている旭川スタルヒン球場で笑顔を見せた。趣味が野球観戦で、メダル獲得をテレビで見届けた後、娘の母校である旭川東の応援のために同球場へ足を運んでいた。53年ぶりに決勝進出した同校にも「楽しみですね。頑張ってほしい」と期待していた。

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