往路優勝、総合3位を狙う中大に注目の兄弟ランナーがいる。エース吉居大和(3年)と弟のスーパールーキー駿恭(1年)だ。ともに仙台育英高(宮城)出身で19年の全国高校駅伝優勝メンバー。2人は往路を希望し、兄弟タスキリレーの実現に期待がかかる。

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令和の箱根路を新たな兄弟ランナーが駆ける。吉居兄弟は平成を彩った設楽(東洋大)、服部(同)、村山兄弟(駒大、城西大)などと同様、一番身近なライバルと競い合い、全国屈指の選手へと成長した。

兄大和は仙台育英高3年時の全国高校総体5000メートルで3位(日本人1位)に入り、弟駿恭は田原東部中3年時の全中1500メートルで優勝した。ともに19年の全国高校駅伝も制覇。1万メートルの自己ベストは大和が28分3秒90、駿恭が28分6秒27と大学トップクラスだ。

藤原正和監督(41)は往路で攻めの区間オーダーを明言し、山登りの5区を除く1~4区に2人が配置される可能性は高い。

大和 弟と同じチームで箱根駅伝を走れるのは2回だけということで、高校3年生のときも同じチームで全国高校駅伝を優勝し、箱根でも同じような経験をしたい。お互いにいい走りをして、チーム目標を達成できるように頑張りたい。

駿恭 箱根駅伝をあまり見たことがなかったが、今年は兄の走りにすごく感動し、「自分もこういう走りをしたい」と入学した。兄弟でいい走りをするという思いもあるが、苦しい練習を一緒に耐えてきたチームメート、4年生、スタッフに恩返しの走りをしたい。

大和は山あり谷ありの1年を送った。22年は1月の箱根駅伝で1区の区間記録を15年ぶりに更新。大会MVPの金栗四三杯にも輝いた。右足負傷、ぎっくり腰のような症状による長期離脱を経て10月の出雲駅伝で1区区間賞。11月の全日本大学駅伝は直前に帯状疱疹(ほうしん)を発症も、6区で区間新を打ち立てた。

一方、駿恭は上々の1年目を過ごす。大学駅伝初出場の出雲で6区区間4位、全日本は3区区間8位。藤原監督も「1年生らしからぬ」と欠かせない存在だ。

中大は24年の100回大会で総合優勝を掲げ、今大会は往路優勝、総合3位を成し遂げて礎を築く。

大和 流れを変えるエースらしい走りをしたい。

駿恭 先頭でタスキを渡せるように頑張りたい。

“最速兄弟”が中大の切り札となる。【山田愛斗】

◆吉居大和(よしい・やまと)2002年(平14)2月14日生まれ、愛知県田原市出身。田原東部中、仙台育英高を経て20年に中大法学部入学。自己ベストは5000メートルが13分25秒87、1万メートルが28分3秒90。特技はかかと落とし。168センチ、49キロ。血液型B。

◆吉居駿恭(よしい・しゅんすけ)2003年(平15)4月8日生まれ、愛知県田原市出身。田原東部中、仙台育英高を経て22年に中大法学部入学。自己ベストは5000メートルが13分40秒26、1万メートルが28分6秒27。特技は勉強。168センチ、54キロ。血液型A。