連覇を狙う青学大は往路3位となったが、“花の2区”を走った近藤幸太郎(4年)は見せ場たっぷりの好勝負を演出した。

2年連続で任されたエース区間。トップから19秒差の8番手(オープン参加チーム含む)でたすきを受け取り、力強い走りで上位を追った。次々と前を抜き去り、終盤は中大・吉居大、駒大・田沢との首位争いを展開。最後は吉居大に前に出られたが、同学年のライバル田沢とはほぼ同じタイミングで3区につないだ。

田沢との激闘を終えると「幸せな気持ちでした。泥仕合ではないけれど、最後は苦しい中で一生懸命2人で戦い、高め合っていけたかな」とうなずいた。何かと比較されることが多かった2人。「正直、めちゃくちゃ嫌でした。かなう相手ではないので」と吐露したが、同時に「彼のおかげで僕は強くなれた」と感謝した。

この日の1時間6分24秒は、前年の自身のタイムを45秒更新。田沢を10秒上回って区間2位となり、3大駅伝での直接対決5回目にして初先着を果たした。吉居大の区間記録にはわずか2秒及ばなかったが、「大和に負けたのなら光栄」と納得顔を浮かべた。

15キロ地点手前でいったん2位に浮上した際には、後退しかけた吉居大に一緒に前を追いかけようと呼びかけるようなしぐさもみせた。走り終えた直後には、その1学年下のランナーと抱擁を交わした。原監督は「近藤と(4区の)太田の走りにはあらためて感動した」と実感を込めた。【奥岡幹浩】