往路優勝の駒大のルーキー伊藤蒼唯(1年)が、6区区間賞の大仕事を成し遂げた。当日エントリー変更で起用されたルーキー伊藤はスタートから急ピッチで飛ばした。

5キロ地点で、トップと30秒差でスタートした往路2位の中大の若林陽大(4年)との差を43秒差に、同2分3秒差でスタートした往路3位の青学大の西川魁星(4年)に2分35秒差と大きく差を広げた。9キロ地点の小涌園前では中大と45秒、青学大に3分30秒差とさらに差を広げて独走した。

後半に入ってもペースは衰えず、17・7キロ地点で沿道に向かって左手を上げてガッツポーズをする余裕も見せて、小田原中継所でトップでタスキを渡した。

2位中大と47秒差、3位に浮上した早大には4分59秒差をつけて、駒大の駅伝3冠を大きく引き寄せた。

駒大は出雲で2区区間賞、全日本で2区2位と2冠の原動力になったスーパールーキーの佐藤圭汰(1年)がエントリーから外れたが、その穴を伊藤が見事に埋めて58分22で区間賞も獲得。「高校時代は1区が多くて、順位が決まった状態でのスタートは初めて。緊張とわくわくが半々で、大平台(13・7キロ)から苦しくなると聞いていたので、そこで踏ん張ることができた。自分の走りができた」。座右の銘の「一心不乱」を初めての箱根で体現してみせた。