今夏パリ五輪(オリンピック)の男子マラソンに出場を明言した大迫傑(32=ナイキ)が4日、自身のYouTubeチャンネルを更新。3日の東京マラソン出場を回避した理由などを語った。

パリ五輪の代表枠は「3」。昨年10月のMGCで2位以内に入れば即内定だったが3位だった。その後は3日の東京マラソンを最終戦とする選考大会3レースで、設定記録(2時間5分50秒)を突破した上で日本人最上位に入った選手が3枠目に内定する規定だったが、大迫は出場せずに「待ち」を選んだ。「予定調和的な“どうせ出るんでしょ”(の空気が)むずかゆかった」と話す。

大きな理由もあった。前回東京五輪前の2019年9月のMGC。ここでも3位だった大迫は翌年の東京マラソンに出場した。「そこ(MGC)から半年かけて東京マラソンへの準備をしたが、緊張感、プレッシャーはすごかった」と振り返る。コロナ禍で東京五輪は2021年に延期になったが、予定通りに開催されていたら「いい走りはできなかった」と話す。

最後の五輪選考会となる東京マラソンは盛り上がる。だが、大迫は「選手のベストコンディションのことを考えると、選手のエナジーを浪費する。(五輪)当日に3人の代表がベストの走りをすることが目的。目的を見失わないようなシステムが必要との思いがあって出走を見送った」と説明した。

さらに「周りのスケジュール感に合わすのではなく、自分のやり方で強くなる方法を探していきたい。国内に縛り付けられて思考停止して走るのでなく、自分には世界に羽ばたく可能性があることを体現したかった」と続けた。次戦は予定通り、4月15日のボストンマラソンとなる。7年前に初マラソンとして走った大会。「スタート地点に立つことで新たな気付きがあるのでは、楽しみ」と前を見据えた。