<陸上:日本選手権大会兼アジア大会代表選考会◇第2日◇7日◇福島市とうほう・みんなのスタジアム◇男子ハンマー投げほか

 男子ハンマー投げで、鉄人・室伏広治(39=ミズノ)が偉業を達成した。3投目に73メートル93をマーク。ただ1人の70メートル台で優勝し、中京大の学生時代から続く20連覇を達成した。

 「雨が目に入るから、よけるために」と、真っ赤なヘアバンドを締めての試技は、まるで室伏の衰えない闘志を示すかのようだった。取材エリアでは開口一番「長きにわたり競技を続けてこれたのも、多くの方々のサポートがあってのこと。本当に良かった」と、まずは感謝の言葉を口にした。

 続けて「福島、東北の方々が素晴らしい試合を作ってくださり、ありがとうございます。福島、東北の方々の底力を感じたし、声援に負けないように投げようと、必死だった」と話した。

 11年3月の東日本大震災以降、室伏は宮城・石巻市内の学校を訪問するなど、復興支援に尽力している。この日は、その子どもたちが宮城からかけつけ「石巻の僕の友だち、友だちというのは高校生ですが、今日は駆けつけてくれました。喜んで帰ってくれれば」と感謝した。息の長い競技人生には「最近は自分の体の声をよく聞くようになった」などと話していた。