<第91回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根-東京(5区間109・6キロ)

 中大が最終10区で、天国から地獄に落とされた。往路10位から始まった復路。8区の永井秀篤(4年)が区間3位の好走を見せるなど、山下りから9区までずっと、シード圏内の8位を維持していた。浦田春生監督(52)は「もしかしたら、6、7位も見えるかなと言うのがありました」。

 だが、5キロまで順調に来ていた10区の多田要(4年)が左膝の痛みから突然、失速した。みるみるうちにペースが落ちる。城西大や、シード権争いを繰り広げていた大東大や山梨学院大に抜かれ、シード圏外へ。結局、区間最下位で、総合19位まで落ちてしまった。それでも懸命にゴールにたどり着き、その後は車いすに乗せられ、都内の病院へ向かった。

 浦田監督によると、朝の段階で異変はなかった。だが、エントリー変更が締め切られた後、アップの段階で膝に痛みを覚えた。付き添いの仲間には漏らしたが、監督らには言えなかったという。触診とエックス線検査の結果、オーバーワークによる炎症で、3日間の安静が必要と診断された。

 浦田監督は「もうシード権どころではなく、最後はなんとかゴールにたどり着かせようとの決断でした。9区まではしっかり走れましたし、多田の悔しい思いを下級生がしっかり受け止めてくれると思う」と、まさかの出来事を受け止めていた。