開催地として6度目を迎える日本にとっても、今回の世界選手権はいままで以上に大きな意味を持つ。1つの時代が終わる大会になるかもしれない。

 去就に注目が集まる浅田真央(23=中京大)。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に、小学生から現在まで、日本フィギュア界の最前線で活躍を続けてきた。ソチ五輪ではショートプログラム(SP)で16位と出遅れながら、フリーでは自己ベストを塗り替える「人生最高の演技」。どん底からよみがえったその滑りは、世界中で大きな感動を生んだ。集大成と位置付けた舞台で、本人もやり切ったと思えた。

 五輪後、世界選手権に向けて「いままでは我慢我慢、考えたり考えたりだったので、楽しもうかなと思うんです」と話した。今後に向けた気持ちは、まだはっきりとしない。ただ、いまはスケート自体を楽しみたい。この舞台が「ラストダンス」になる可能性もある。だから、見ていても楽しい演技をファンに見てもらいたいと願う。

 日本からはソチ五輪8位で、今大会が現役引退となる鈴木明子(28)、同12位の村上佳菜子(19)も出場。金メダリストのソトニコワ(ロシア)、銀メダリストの金妍児(韓国)が不在のなかで、外国勢の注目は銅メダリストのコストナー(イタリア)、15歳のリプニツカヤ(ロシア)になる。