兄弟トライで秋田中央が2年連続の初戦突破を決めた。68-3で広島工に勝利。FB夏井勇大(3年)が2トライ、弟のCTB大樹(2年)が1トライで勝利に貢献した。昨年の全国大会では弟大樹は出場したが、兄勇大は出場できず。“兄弟格差”を乗り越え、息のあったライン攻撃でBK陣を引っ張った。

 聖地で兄弟トライ! 秋田中央のFB夏井勇大(3年)とTB大樹(2年)は年子の兄弟。幼い頃からともに始めたラグビーで「一緒に花園に行くことが夢だった」という2人が、同じピッチに立ち躍動した。兄勇大が2トライ、弟大樹が1トライの活躍を見せ、初戦突破に貢献した。 前半23分には兄弟リレーでのトライも実現。「進撃のピンク」集団がつないだパスの最後に、弟から兄へボールが渡りトライをたたき込んだ。1度もけんかをしたことがないというほど仲の良い2人は、憧れの舞台でそろって好プレーを連発させ笑顔を輝かせた。1年時からレギュラーとして試合に出続けている大樹は「一緒にやれるのが初めてなので楽しみました」。今年が初花園の勇大は「昨年は弟だけ出ていて悔しかった。最後に一緒に出られてうれしい」と満足そうな表情で話した。

 顔も言動もそっくりな兄弟はラグビー愛もともに熱い。「花園大会のテーマソング集っていうのがあって…それはお互い好きで聞いてますね」と共通の趣味である音楽鑑賞で聖地のテーマ曲を聞き続けてきたという。最初で最後の今大会での目標はベスト16入り。次戦30日の2回戦では桐蔭学園(神奈川)と対戦する。秋田の夏井ブラザーズは「気持ちで負けないよう、プライドを持って戦う」と声をそろえた。【成田光季】