全国高校ラグビー大会は30日、大阪・花園ラグビー場でシード勢9校が登場して、2回戦16試合を行う。

 全国選抜大会、全国7人制を制し、年間3冠を狙う東海大仰星(大阪第1)は和歌山工との対戦前日の29日、大阪・枚方市にある同校グラウンドで約2時間の調整を行った。

 フランカーの真野泰地主将(3年)は「特別な空気はなく、みんないつもと変わったところがない。それが逆にいいかな、と思います」と力みのない笑みを浮かべた。高校日本代表候補5人、U-17(17歳以下)日本代表1人、同候補1人を擁するが、タレント集団という意識はみじんもない。「個々の能力が高くないのは、みんなわかっている。だから王者としてではなく、挑戦者として戦う。ひたむきなディフェンスを徹底したい」。大阪府予選3試合をオール完封で通過した戦いを、花園でも実践する。

 就任3年目の湯浅大智監督(34)は「ここ(花園)が最後。目指してやってきた場所で、高校の集大成を見せてほしい。もちろん優勝を目指してやるわけですが、優勝をすることで、その先につながるものを手にしてくれたらうれしい」と話した。3年間を丸々指導した世代を初めて、花園に送り出す。「この世代の持ち味は勤勉さ。ひたむきさと言ってもいいです。ラグビーだけでなく、生活そのものをコツコツやってきた生徒たち」と愛弟子たちに大きな信頼を寄せた。