秋田中央が桐蔭学園(神奈川)に敗れて、08年以来7年ぶりの3回戦進出はならなかった。後半はモールを主体に押し込んだが、前半の大量失点が響き、流れをつかめなかった。高校日本代表候補のロック三浦駿平(3年)は進学予定の早大での活躍を誓った。

 23点差を追いかける、後半10分過ぎ。ゴールラインまで、あと10メートルの所で秋田中央の三浦の左手から希望がこぼれた。「味方の方へ方向を変えられたら良かったのに」。ラインアウトからのボールがほんの少し、高く浮いた。精いっぱい伸ばした左手の指先には触れたが、相手ボールとなり、イケイケの反撃ムードはしぼんでいった。

 勝てる試合だった。後半からモールを多用。後半で奪った2トライはゴリゴリと押し込んで奪った。「3年間鍛えてきたフィジカルは、関東1位のチームに通用した」と予想以上に力の差はないと感じた。それだけに、要所での反則や細かいミスが勢いをそぎ、致命傷になってしまった。

 悔しい思いは次のステージで晴らす。卒業後は早大へ進学する。小学生から遊びでラグビーはしていたが、本格的に打ち込んだのは高校入学後。NO8で高校日本代表候補に選ばれるなど、爆発的な成長曲線を描いた。「3年でここまで成長させてくれた高校に感謝している。ミスをしていては上にはいけない。体をチームのために張れる選手になりたい」と成長の糧にすると話した。次の目標は大学選手権優勝。花園でつかめなかった喜びを味わうため、一から鍛え直す。【島根純】