東福岡が進化を遂げて大会2連覇へM2とした。昨春の選抜大会で敗れた大阪桐蔭(大阪第2)を接戦で破ってリベンジ。前回優勝のメンバーはわずか2人ながら、リザーブを含めた全員の力でつかんだ4強。藤田雄一郎監督(43)は「うちの文化にはない気持ちを出して勝った」と花園でさらなる成長を見せた。7日準決勝で3冠を目指す東海大仰星(大阪第1)に挑む。

 ガッツポーズでうれしさを表した。1トライ1ゴールで同点とされるピンチを切り抜けての勝利。一進一退の攻防で勝ちきった東福岡フィフティーンに笑みが浮かんだ。藤田監督も興奮気味だった。「勝因はDFでしょう。選手らは選抜大会8強止まりで、このために頑張ってきた。うち(ラグビー部)の文化にはあまりないんですけど、気持ちを出してくれた」。伝統でもある冷静なプレーとはかけ離れた「泥臭さ」を前面に出してリベンジを果たした。

 全員で力を出し切った。初戦でSO丸山凜太郎(1年生)が脳振とうに見舞われるアクシデントで離脱し、3回戦の途中からに続きこの日も森勇登(2年)がSOを務めた。「大阪桐蔭のキッカーが素晴らしいので」とDFの際はキャッチングが得意のロック箸本龍雅(2年)が右WTBの位置でキックを受けた。藤田監督は「悪いところもあったが箸本がよく活躍してくれた」とキーマンに目を細めた。箸本と代わってFW(フランカー)も務めた右WTB山下太雅(2年)も後半2分には右隅に逆転のトライ。箸本は「誰が出てもベストメンバーですから」と底力の強さを見せつけた。

 「絶対にリベンジしてやろうと思っていた」。NO8服部綾主将(3年)の言葉も弾んだ。3冠を達成した昨年のフランカー古川聖人主将(現立命大1年)に負けた試合のVTRを見てもらってアドバイスももらっていた。「選抜で負けたところが僕たちの出発点でしたから」。連覇のためにも負けるわけにはいかなかった。

 7日準決勝の相手は、昨年東福岡が達成した3冠を狙っている東海大仰星と決まった。「どうせやるなら強いチームとしたい」(服部主将)。選抜大会は8強止まり。7人制も決勝トーナメント(16チーム)初戦で敗れた。最後の舞台だけは譲るつもりはない。【浦田由紀夫】