国際オリンピック委員会(IOC)のデュビ五輪統括部長は30日、2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムの新国立競技場を、大会後に球技専用に仕様変更する案が出ていることに理解を示した。

 準備状況を監督するIOC調整委員会と大会組織委員会などとの合同会議終了後の記者会見で「レガシー(遺産)には合理性がなければならない。設計した通りにそのまま残さなくてはならないと、われわれが強要することはあり得ない」と述べた。

 会議では、陸上のウオーミングアップ用のサブトラックは組織委がスタジアム近隣に仮設で整備し、大会後は撤去される計画であることが報告された。サブトラックがなければ、陸上は世界選手権や日本選手権などの大規模大会を開けなくなるが、IOC側から特に異論は出なかったという。政府はスタジアムの後利用について関係機関と調整を進めており、収益性を高めるためにもサッカーなど球技専用への変更案が有力視されている。

 組織委の森喜朗会長は、都心と臨海部を結び、大会輸送の大動脈となる環状2号線の一部区間が未着工となっている問題では、東京都から12月までに具体的な整備計画が示されると説明。追加種目のスケートボードやスポーツクライミングなどを行う臨海部の会場は、若者のにぎわいを創出するための運営上の工夫を本格検討する予定で「わくわく感が出てきた」と期待した。