右足甲のけがから復活し、18年平昌五輪を狙う村上大介(26=陽進堂)が、前日のショートプログラム(SP)に続き、フリーでも147・99点と首位に立ち、合計230・16点で優勝。五輪代表を争う12月の全日本選手権に駒を進めた。

 この日の試合前には、ワールドシリーズ第4戦を「ライブで見てきました」。村上が拠点とするロサンゼルスの球団ドジャースには、顔がそっくりとネット上で話題になったことがきっかけで交流を深めた前田健太投手(29)が所属している。「本当はLA(ロサンゼルス)で見たかったですが、この大会があるので…」。前日2回2/3無失点と好投したマエケンはこの日は投げなかったが、6-2で勝利。タイに持ち込んだド軍の勢いに乗るように、村上も4回転サルコーを成功するなど納得の演技で勝利をつかんだ。

 ちょうど1年前のこの大会で4回転サルコーを跳んだ時に右足甲を痛めて棄権。全日本選手権への道が途切れ、そのままシーズンを終えた。「何を考えていいか分からず、ぼーっとしていました」。リハビリを経て、氷上での練習を再開したのは今年1月。そこからの復帰過程で励ましてくれたのは、マエケンだった。直接会って食事をしたり、LINEをやりとりするなどし、「インパクトのある言葉をもらった」。重圧に打ち勝つための金言を授かった。「僕は野球があまり分からないし、彼もフィギュアが分からない。違う世界だけど、先輩みたいにアドバイスしてくれる。本当にありがたい。感謝しています」。助言の内容は「言えないです」。心にマエケンの言葉を秘め、初の五輪へ、歩みを進める。