5連勝中で東地区首位の仙台89ERSが同6位の山形ワイヴァンズを87-66で下し、19年は首位での「越年ターン」を決めた。

沢辺圭太(24)が第2クオーター(Q)に勝ち越しのブザービーター弾を決めるなど、ともにチームトップの14得点6アシストでけん引。今年の最終戦を勝利で飾るとともに、連勝を今季最長の6に伸ばし、「昇格イヤー」を期す20年に弾みをつけた。

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5点リードで迎えた第2Qは山形に攻守で粘られ、残り54秒で28-29と逆転を許した。リスタート後に新号剛(24)がフリースローを1本決めて同点に追いつくと残り7秒、仙台がラストプレーで流れを大きく変えた。自陣からボールを受けた沢辺がドライブで切り込み、マークが一瞬緩んだ隙を突いて、残り1秒でジャンプシュート。「ファウルをもらうことを考えていたが、向こうのディフェンスが下がっていたので」と一瞬を冷静に判断し、2点弾のブザービーターで勝ち越した。

結果的に、沢辺のこのシュートが「決勝点」になった。ハーフタイム後は攻撃が息を吹き返し、ミラーが最初のシュートを決めると、そこから3連続得点で一気に10点差に広げた。その後は1度もリードを許さず、21点差で突き放した。前半は31点と攻めあぐねたが、後半は56点で山形を圧倒。桶谷ヘッドコーチは「後半は理想的な展開に持ち込めた。後半だけ見れば、自分たちがやりたいバスケットができた」と満足した。

沢辺の母校・九州学院(熊本)は全国高校バスケットボール選手権3回戦で、大会連覇を達成した福岡第一に敗れた。沢辺もインターネットで観戦し「母校のみんながウインターカップで頑張っている姿を見て、僕もまた頑張ろうという気持ちになった」と刺激を受けた。前半戦を21勝9敗で終え、20年開幕は1月4日のアウェー福岡戦。目標のB1復帰へ、年明けからも連勝を重ねていく。【相沢孔志】