早田ひな(19=日本生命)が、全日本女子シングルスで初優勝を果たした。決勝は、東京オリンピック2種目代表で、通算4度の優勝を誇る石川佳純(26=全農)を相手に4-1で勝利した。

圧巻のプレーだった。第5ゲームでは、石川のサイド、開いたスペースに強烈なドライブをたたき込むなどして勝負を決めた。

優勝が決まった瞬間、早田の目から涙があふれた。タオルで顔を覆いながら喜びをかみしめた。

「これまで苦しいことだったりとか、がんばってもがんばっても結果が出ないときがすごく多くて。でもたくさんの方が『ひなちゃんがんばれ』って応援してくれていたので結果が出せたんだと思います」

そんな早田には、会場から歓声が送られた。

この決勝に先立つ準決勝は、女子ダブルスのパートナー、伊藤美誠(19=スターツ)だった。伊藤との対戦は4-3で勝利。「伊藤選手は戦術の幅が広いし、攻めても簡単には勝てないというのがわかっていた。第7ゲームはお互い緊張するので、気持ちが強い方が勝つと思っていた」。勝ちにこだわる思いが、勝利へ結実したと語った。

同時に、伊藤への思いも吐露。「中国人選手に勝って、ワールドツアーも優勝したりとか、東京オリンピックもワールドツアーの途中で決まったりとか、中国人選手もなかなか勝てないような選手になってきている。その選手がダブルスの時はお手本で、彼女のプレーを見て、自分もできるかもと思える存在だと思います」と語り、同世代のライバルを称賛した。【南谷竜則】