年末年始にかけて、サッカーやラグビーなどの高校スポーツ全国大会が各地で開催される。日刊スポーツ東北版では今日から、競技別に東北の代表校を全チーム紹介します。第1弾は「冬に輝く」バスケットボールです。全国高校バスケットボール選手権が12月23~29日、東京体育館などで開催される。2月の東北新人で優勝した男女優勝校は「東北ブロック枠」として、出場権が与えられた。男子では、9年連続14度目の出場を決め、昨年は東北勢唯一の8強入りを果たした仙台大明成(宮城)が3年ぶり6度目の覇権奪回に挑む。Bリーグにも多数の教え子を輩出し、NBAウィザーズの八村塁(22)らを育てた名将・佐藤久夫監督(71)の下で技を磨くタレント軍団に注目だ。

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仙台大明成の戦力が充実する。2月の東北新人決勝から約8カ月半ぶりの公式戦となった10月の県選手権決勝は、ベンチ入り13人が185センチ以上の大型チームで臨み、39点差で東北学院を圧倒した。

昨年の全国8強メンバーで「八村2世」と呼び声が高い身長199センチの山崎一渉(いぶ、2年)らを軸に、高さを生かした攻守と内外からの精度の高いシュート力が持ち味。県決勝のチーム最多得点は山崎一の18得点にとどまったが、13選手が得点をマークし、選手層の厚さを証明した。それでも佐藤監督は「強いと思いますが、彼らからは『俺たちは強いんだ』という自信が湧いていないと感じさせる試合」と、プレーには納得していない様子だった。

昨年の全国舞台は1、2年生主体で臨み、経験という大きな収穫を得た。指揮官は「(前)2、3年生には申し訳ない気持ちもある。現2年生は早い段階で全国大会の経験ができて、これから生かさないといけない」と期待する。浅原紳介主将(3年)を中心とする最上級生については「3年生は近年にない素晴らしい集団。下級生を育てようとしたり、自分たちでまとまって輪になる」と頼りにする。県選手権前日に「明成高校歴代3年生の中でNO・1」と評した教え子たちが、下級生が主力のチームを支えている。

佐藤監督は現チーム最後の晴れ舞台に向けて、「思い切って、自信を持って、失敗を恐れずに頑張ってほしい」と闘志むき出しのプレーを熱望する。今年はコロナ禍で能代カップ、全国総体、国体などが軒並み中止となり、全国的強豪の実力は未知数のまま、手探り状態での戦いとなる。それでもタレント力では全国屈指の呼び声高く、創部15年目で6度目の日本一は決して夢ではない。【相沢孔志】