全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)は、来年1月5日に東京体育館で幕を開ける。今日15日から「春高で輝く」と題し、東北6県の男女代表校を紹介。第1回は秋田代表です。

女子代表の秋田北は初の県3連覇で5度目の選手権に出場する。前回大会はエースで主将の野中瑠衣(19=V1日立リヴァーレ)を擁し、「4度目の正直」で初勝利を挙げた。大黒柱が抜け、コロナ禍に見舞われた今季。県予選に出場した3年生は、小白川華林主将と石田愛佳の2人のみだが、受験などで泣く泣く引退した同級生5人の思いを背負い、後輩(2年生4人、1年生7人)と8強目指し突き進む。

初勝利メンバーの小白川は、小学2年時からレシーブ専門で本職はリベロだが、新チーム始動とともに白羽の矢が立ち、未経験ながらセッターに転向。「経験とか一番難しいポジションで不安があったけど、チームのことを考えて自分がやるしかないと思った」と司令塔になる決断を下した。

4月に7人いた3年生は全国高校総体(インターハイ)中止、選手権開催も不透明で、5月の休校明けに5人が引退。小白川は「今までインターハイで引退はあったけど、例年と違う形で引退した3年生も本当に悔しい思いをしてきた。仲間の分まで絶対勝つという思いでした」。県予選は準決勝、決勝が同日開催。決勝進出直後に野中に電話で結果を報告し「気合を入れてもらいました」。並々ならぬ気持ちで秋田県を勝ち抜いた。

前エースが夏休みに帰郷し、練習指導に訪れた際には「もっとボールに対して熱意を持って動かないと、正直ベスト8の目標は無理かもしれないよ。まだまだ時間はある。自信を持ってやれば大丈夫だから頑張れ」と激励され、「そこからチームが変われました」と小白川。前回は2回戦敗退で「先輩たちが悔しい思いをした分、ベスト8を達成して報告したい」。来年1月5日に富山第一と初戦。部員「18人」で高い壁を乗り越える。