女子で北海道覇者の札幌山の手が白鵬女(神奈川)に122-75で快勝し、8強入りした16年以来4年ぶりに初戦を突破した。森岡かりん(3年)が21得点を挙げれば、司令塔で1年生主将のほのかも23得点。森岡姉妹を中心に、攻守に素早いバスケットでナイジェリア出身の長身選手を擁す相手を圧倒した。男子は初出場の北海道栄が試合終了間際に逆転を許し、惜しくも全国初勝利を逃した。

圧勝劇で4年ぶりに全国1勝を引き寄せた。122点を奪っての初戦突破。全国初出場の1年生主将、森岡ほのかは「最初は会場の雰囲気も慣れなくて、前半はうまくはいかなかったけど、後半は自分たちの走るバスケができた」。盤石の試合運びで勝ち上がった。

38度目出場の常連校でも難しい初戦。序盤はナイジェリア出身の180センチセンターを擁する相手からリバウンドを取れずに苦しんだが「いつも通りのプレーを意識した。相手もついて来れなくなる」。森岡姉妹の妹で司令塔のほのかは、冷静に試合を分析。第1クオーター(Q)終了時点で相手センターに3ファウルを取らせた。退場を恐れ出場時間を制限させることに成功し、点差以上に優位に立った。

相手を封じれば、後は得点するだけ。第2Q残り3分で一時逆転を許すも、直後に姉かりんがこの日初めて3点シュートに成功。「自分の3点シュートで少しでも楽にしたかった」。昨年大会は夏場に右足の前十字じん帯を断裂し欠場。この日、かりんは21得点のうち3点シュートをチーム最多の5本決め、勢いづかせた。

一昨年は28連覇中の道予選で敗れ全国を逃し、昨年は初戦敗退。雪辱に燃える今年はコロナ禍に見舞われたが伝統のトランディション(攻守の切り替わり)バスケを徹底。2人で44得点の森岡姉妹を上回るチーム最多25得点の舘山萌菜(3年)は「気持ちは切らさなかった」。後半20分で70得点。大差が付いた第4Qには控え選手も全員コートに立って試合を支配した。

就任54年目の上島正光コーチ(77)から「周りが見えていた」と絶賛されたほのかは「次も強い相手が来る。自分たちの守備から走るバスケを最後までやりたい」。順位目標は掲げない。25日中津北(大分)との3回戦から1戦必勝で9年ぶりの覇権奪還に向かう。【浅水友輝】