日本バレーボール協会は27日、今月31日付で中田久美監督が退任することを発表した。

東京五輪後に本人から退く意向が伝えられ、この日の女子強化委員会でも同様の表明があった。

中田氏は旧久光製薬(現久光スプリングス)時代にVプレミアリーグを3度、全日本選手権は4度制した。2017年4月に代表監督に就任。女子代表の監督では元日本代表の生沼スミエ氏以来2人目、五輪では初の女性監督として指揮を執った。

64年大会の再現を目指し「伝説のチームを作る」と宣言した東京五輪では結果は振るわず。25年ぶりの予選リーグ敗退となった。

中田監督は「不本意な結果となったことを大変申し訳なく思っています。日本代表監督として、皆さまの想いをしっかり背負い、バレーボール界発展のためにさまざまなことに挑戦し戦い続けた5年間に後悔も悔いもありません」とコメント。

さらに「今まで一緒に戦ってくれた選手・スタッフと共に歩んできた時間は、私にとってとても貴重で、一生忘れることはないと思います。バレーボール界の更なる発展を願うと共に、日本国民の一人として、新型コロナウイルス感染症が終息し平和な世の中になることを心より願っています」と結んだ。

◆中田久美(なかだ・くみ)1965年(昭40)9月3日、東京都練馬区生まれ。セッターで中学3年で史上最年少の15歳で日本代表に選出された。卒業後、日立に入社。五輪には銅メダルを獲得した84年ロサンゼルス大会など3度出場。08年にイタリア1部セリエAのヴィツェンツァでコーチに就任し、日本人初の海外チーム指導者となった。12年に久光製薬(現久光スプリングス)の監督に就任。東京・NHK学園卒。