20年日本選手権優勝の松村千秋(28=中部電力)と谷田康真(27=コンサドーレ)のペアが、北京五輪出場枠が懸かる最終予選(12月、オランダ)に日本代表として出場することが決まった。今年2月の日本選手権で連覇を阻まれた吉田夕梨花(28=ロコ・ソラーレ)と松村雄太(31=コンサドーレ)のペアと対戦し、大会通算3勝1敗で下した。松村千秋は「いまはほっとしています」と涙ぐみ、谷田は「言葉に表せられないぐらい最高の瞬間」と実感を込めた。

きょうだい対決にも注目が集まっていた中で、妹千秋のペアが兄雄太のペアを破った。試合後は敵味方関係なく、4人が抱擁し合った。妹の松村千は「苦しい展開が多かったが、すごく楽しかった。今回は兄にも投げ負けていなかった。お互いにたたえ合いたい」とうなずいた。谷田も「この瞬間からチームジャパンとして、(吉田夕と松村雄とも)一緒に戦っていきたい」と話した。

この日の午前の試合を7-5で勝って王手をかけていた松村千、谷田組は、続く試合も逆転勝ち。同点の第5エンド(E)に3点を奪われたが、直後の第6Eにパワープレーを選択し、一挙4点を挙げて逆転に成功。第7Eには相手のパワープレーを1点に抑えて同点で踏ん張り、最終第8Eで勝ち越した。

◆カーリング混合ダブルス 男女1人ずつのペアで争う。4人制より2エンド少ない8エンド制で行われ、各エンドにつき1チーム5回ずつストーンを投げ合う。1人目は1、5投目、2人目は2~4投目を担当。両チームがセンターライン上の所定の位置に1つずつストーンを置いた状態から始まる。後攻チームは1試合に1度、ストーンを置く位置を左右いずれかにずらして配置する「パワープレー」を選択可能で、複数点を取るチャンスが拡大する。五輪には前回の平昌大会から採用され、日本は出場権を獲得できなかった。

◆北京五輪への道 今大会の勝者は日本代表として、来年の北京五輪の出場枠が懸かる最終予選(12月5~9日、オランダ・レーワルデン)に出場する。同大会には14チームが参加し、残る2枚の五輪切符獲得を目指す。北京五輪には10チームが出場。5月の世界選手権(スコットランド)で上位だった8カ国がすでに出場権を確保している。その世界選手権に日本からは吉田夕と松村雄のペアが臨み、11位で北京五輪出場切符を逃した。