昨季、国内ジュニア3冠でシニア1年目の松生理乃(17=中京大中京高)が62・98点で発進した。

冒頭が3回転ルッツ-2回転トーループと予定の2連続3回転とはならなかったものの、ダブルアクセル(2回転半)と3回転ループは成功。第4戦NHK杯(12、13日)の前に右足首を痛めた影響もあってか、コンビネーションを最初に持ってきたが「会場の雰囲気を楽しんで滑ることができたので、そこはすごく良かった。ただ、最初のジャンプが思うように跳べなかったのが悔しいです」と振り返った。

負傷の影響については「今は、だいぶ良くなってきていて、トーを突いても痛みが減ってきています。けがの影響ではなく、しっかりと体を合わせられなかったり、気持ちの問題」と気丈に否定。世界最強のロシア勢について「トリプルアクセル、4回転ジャンプを跳ぶ選手が多いので、すごい。(反対に自身は)少し前に負傷してしまった影響で(大技を)跳べていないので、早く練習をして跳べるようにならないといけないな」と振り返った。

ロシア勢の印象については「トップクラスの選手ばかりで、一緒の試合に出ることができるのは光栄。トルソワ選手はジャンプがすごいし、ワリエワ選手はジャンプがキレイで足の柔軟性もすごい。トゥクタミシェワ選手は表現面は超越している。どの選手ともまだ会話したりはできていないですけど、この大会中に話せたらいいなと思っています」と笑顔を見せた。

浅田真央さんに憧れてスケートを始め、その浅田さんが滑った14年ソチ五輪(オリンピック)の舞台が今回の会場。「憧れの浅田さんが憧れの試合をしたソチの会場。同じリンクで滑らせていただけるということで、すごくドキドキ、ワクワクしました」とも笑い、実りある参戦となった実感を込めていた。【木下淳】