17日に開幕するテニスの4大大会、全豪オープン(メルボルン)に向け、オーストラリアへの入国問題に揺れる男子世界王者のジョコビッチ(セルビア)が12日、自身の疑惑に対して「誤報で、訂正される必要がある」と、声明を出した。

【ジョコビッチ入国騒動経過】>>

疑惑は、12月16日にPCR検査で新型コロナウイルス陽性となったにもかかわらず、ノーマスクでイベントに出席したこと。また、オーストラリア入国に際し、入国書類の「過去14日間で、どこかに旅行をしたか」という問いに、「いいえ」と答えている。しかし、12月31日にスペインで練習している動画がSNSに上げられていることなどだ。

まず、新型コロナ陽性に関しては、「12月14日にベオグラードでのバスケットの試合を観戦した。その後、多くの関係者が陽性となった報告を受け、16日に抗原検査を受け陰性だった。その後、PCR検査も受けた。そして、17日に再び抗原検査を受けたが、それも陰性だった」と、PCR検査の陽性が知らされたのは、その後だったと反論した。

また、入国書類の虚偽申告に関しては「代理人が誤った欄にチェックを入れてしまったため、代理人が心から謝罪している」としている。そして「人為的なミスであり、決して故意ではない。世界的なパンデミックの時代で生きている時、このような間違いを犯すことはある」と、あくまで意図的ではなかったことを強調した。

全豪オープンに関しては「世界最高の選手と戦い、世界最高の観客の前でプレーする機会を得たいだけ」と、出場への意欲をつづった。そして、「これ以上のコメントは差し控えたい」と、自ら、この問題に幕引きを図っているようだ。

ジョコビッチは、ワクチン接種免除が承認されたとして、5日の深夜に全豪オープンが行われるメルボルンに到着。しかし、「入国要件を満たす適切な証明を提出できなかった」ことで、入国を拒否され、査証(ビザ)を取り消された。

ジョコビッチは弁護士を通じ、入国を求め裁判に訴えた。10日、裁判所は、ジョコビッチの入国を認める判断を下し、ビザ取り消しを無効とし、同選手をすぐに解放するように命じた。

しかし、オーストラリア政府は、再度、ジョコビッチのビザを取り消す準備があると、地元メディアに報じられている。