モータースポーツの22年F1グランプリ(GP)は、18日にバーレーンGPで開幕する。参戦2年目を迎える角田裕毅(21=アルファタウリ)や、今季の見どころなどを2回にわたって紹介します。第1回は、勝負の年となる角田の現在地です。

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角田は12日、開幕戦の行われるバーレーンのサーキットで3日間のテスト走行を終えた。11日には本番を想定して120周ほど走り込み、最終日の12日は予選用タイヤで全体の6番目のタイムを記録。「チームとしてのテスト内容には満足していますが、自分のアタックラップには満足してません。開幕までの数日間でチーム一丸となってさらに改善を進めたいと思います」と開幕へ向けて話した。

昨年は7年ぶりのF1フル参戦ドライバーとして世界中から注目された。F1の登竜門といわれるレッドブル・ジュニアチームから実績を積み順調に駆け上がった実力がデビュー前から高く評価されていたからだ。開幕戦のバーレーンGPではいきなり9位入賞でポイントを獲得も、そこからは苦難の連続だった。

意気込みが空回りし、クラッシュで車を壊し、本来の思い切りのいい走りは影を潜めた。拠点を英国からチームのあるイタリアに移し、専属トレーナーもつけ、生活も改めた。同僚のガスリーを見て、チームスタッフとのコミュニケーションの取り方を学んだ。

開幕前のリモート会見で「(去年に比べ)現実的になった。もっと目の前のことを考えようと思った。昨年はルーキーとして何の経験もなく、何の予想もなく戦った。自分をコントロールできていない中で、表彰台とかプロセスを考えないで言っていた」と話した。最高4位、入賞7回、予選最高位7位と新人としてはまずまずの成績も、角田は自分を見つめ直した。

オフは首の強化など地道な体力アップに取り組み「30~40%アップした」という。経験を積み多くを学んだ1年から、2年目はより結果を求められる。F1のシートを守るために、総合優勝を狙える強豪チームへ移籍できるような評価を得るために、勝負の2年目が始まる。【桝田朗】

◆角田裕毅(つのだ・ゆうき)2000年(平12)5月11日、神奈川県相模原市生まれ。16年にF4日本選手権に参戦。18年にF4日本選手権で総合優勝。19年にF1の登竜門、レッドブル・ジュニアチームに加入。同年F3選手権で総合4位。20年からはF2選手権に参戦し、3勝を挙げ年間3位。21年にF1デビューし、最終戦アブダビGPで最高位の4位。シーズンの総獲得ポイント32でランキング14位。東京・日大三高、和光高を経て19年4月、日体大。160センチ、53キロ。

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