初出場の河辺愛菜(17=木下アカデミー)が、今の力を出し切った。

トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回避して2回転半でまとめ、63・68点を記録。演技後は安堵(あんど)の表情を浮かべ「(3回転半は)ここで入れるほどの調子が戻っていないと思った。ショート落ち(フリー進出不可)したら入れても意味がない。点数はあまりいいものではなかったですが、演技自体はすごく納得いく演技ができました」と振り返った。

【フィギュア】河辺愛菜12番目、樋口新葉29番目、坂本花織30番目/世界選手権女子SP速報

2月の北京五輪(オリンピック)では23位と満足のいく結果が得られなかった。「試合が怖い」という気持ちもありながら、アクセルだけでなく、他のジャンプやスピンなど完成度の高さを求めた。この日は回避した3回転半だが「(25日の)フリーで挑戦できればいいなと思っています」とさらなる高みを目指す。

フリー曲の「ミラクル」は昨季から使用し、世界最高峰の舞台へと押し上げてくれた演目だ。来季は新しいプログラムに挑戦する意向で「いい試合が多かったので、この試合もちゃんと、自分の出せるもの全部出せた『ミラクル』になればいい。頑張りたいです」。残された4分間に、全ての思いを込める。【松本航】