フィギュアスケート女子で18年平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)4位入賞の宮原知子(木下グループ)が24歳の誕生日を迎えた26日、現役引退を発表した。自身のブログに「私の中で悔いはなく、やりきったという気持ちでいっぱいです」と記し、プロスケーターとして、まずはアイスショー「スターズ・オン・アイス」のカナダツアーに出演することを明かした。

日本女子をけん引したエースだった。14年から全日本選手権4連覇。完成度の高い演技で「ミス・パーフェクト」と呼ばれた。股関節の疲労骨折に悩まされながらも、懸命のリハビリで平昌五輪に出場し4位入賞。カナダに拠点を移し、2大会連続出場を目指した。

1年前の世界選手権は19位。フリー後に向かった更衣室ですれ違ったのは、1歳上のトゥクタミシェワ(ロシア)だった。抱き締められ「ただただ前向きに頑張っていれば、いいことがあるから」とささやかれた。10代の目覚ましい活躍が続く女子フィギュア界。その言葉を胸に飛躍を遂げ、今季の全日本選手権は5位に入った。3枠の北京五輪代表は逃したが、この日、ブログに「これまで以上に、もうこれ以上はできないと納得いくまで練習し、試合に臨んだシーズンでした」とつづった。不器用だった少女はどこまでも謙虚に、最後まで全力で競技人生を滑り抜いた。【松本航】

◆宮原知子(みやはら・さとこ)1998年(平10)3月26日、京都府生まれ。4~7歳まで米ヒューストンで暮らす。6歳時に競技を始め、帰国後は浜田美栄コーチに師事。ジュニア時代の14歳で出場した12年全日本選手権で3位に入った。全日本選手権は14年から4連覇。グランプリ(GP)シリーズ通算3勝を挙げ、GPファイナルは15、16年に連続2位。世界選手権は初出場した15年銀、18年は銅メダル。18年の平昌五輪4位。関大卒。152センチ。