早大が予選会4位から往路5位と上位進出し、復活への歩みを印象づけた。殊勲は3区で区間2位、9人抜きの快走をみせたエース井川龍人(4年)。14位で走りだすと、「海沿いに入ってからが勝負どころ」と、冷静にペースを図った。12キロ過ぎに海岸へ。直線で見通せる前方には、各校のランナーたち。「すごく楽しくて。抜いても前に人がいて、どんどんと」。並走させる間もなく、一気に追い越していった。

目元には気分が上がる特注品を身に着けた。今大会からチームで解禁されたサングラスは、大好きなサッカークラブ、アーセナルを意識した配色。少し大きめのレンズで「ばっちりでした。目立ってたかな」。5位までまくった走りとともにインパクトを狙った。

昨年は1区16位と沈み、チームも13位に終わった。6月に花田監督が就任し、主軸として時には愛あるダメ出しをされたこともあった。夏合宿では、OBの瀬古利彦氏に「情けない走りだ。お前がしっかりしなきゃだめだ」と全体ミーティングで名指しではっぱもかけられた。

「やらないとな。見返したい」。そう誓い、チームを背中で引っ張り、秋冬を過ごしてきた。12月には「良い走りをしてる」と褒められ、この日もレジェンドを満足させる結果を残した。目標は総合5位以内。仲間を信じ、復路で待つ。【阿部健吾】

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