女子の渡辺倫果(20=TOKIOインカラミ/法政大)千葉百音(17=宮城・東北高)吉田陽菜(17=木下アカデミー)が、標高1800メートル超の当地とメインリンクのブロードモア・ワールド・アリーナの感触を確かめた。

昨年末の全日本選手権を終えて4大陸の代表に選ばれた後、国内でマスクしながら練習するなど低酸素対策をしてきた渡辺は「もともと呼吸器官が強くないので、演技中に記憶が飛びました。滑っている最中にカクンッ、一瞬プンッ、て消えて(意識が)戻ってきて『やばい』というのはありましたが、まあ大丈夫でしょう」と不思議な自信を見せた。

一方で「もちろん高地での試合なので、普通が普通ではなくなって当たり前。その中でどれだけ自分の演技ができるか、を確認というか、ちゃんと納得いく演技ができれば。具体的な目標は中庭先生(健介コーチ)を超えること。先生は(06年に同じコロラドスプリングズで行われた4大陸で)6位だったので、私は5位以内を目指しつつ、もっともっと上に行ければ、なお良し! という感じ。順位とかあまり気にせず、自分のやるべきこと、やりたいこと、理想とするものが今大会で出せればいいんじゃないかなと思います」としっかり語った。

千葉は「息も上がりやすいんですけど、ジャンプも高く上がるので調整が必要ですね」。この日は2連続のルッツなど入念に確認した。吉田は「演技後半になると、酸素が脚に行き渡らない感覚になります」と三者三様に高地の印象を語った。

高校2年生の千葉と吉田は、シニアのA級大会に出場するのも米国遠征も初めて。千葉は「人生で最大級の大会なのでワクワクが半分と緊張が半分。初ずくめなので、いい印象で終えられれば」。吉田は「(浜田美栄コーチから)「自分との勝負」と言われているので、初めての大会ですけど自分ができることに集中したい。時差は思ったより大丈夫で、試合が終わったらハンバーガーとかステーキとか、米国らしいものを食べたい。お肉をがっつり」と笑顔を見せていた。(米コロラドスプリングズ=木下淳)